頃日、積んだままにしていた日本の放浪藝シリーズ*1をやっと聴き通す。日本の知らない世界をのぞく。そしてやっと小沢昭一を読めるようになった。
やはりどことなく幸田文と似ている文章。気象はぜんぜん違ふはずなのに。
私にはとても遠い世界だ。
しょうことないとかどっかこっかという詞は始めてきく。
知らないことばかり。
知らないことばかり。
なんとすさまじい藝。そしてそれを読み解く著者の眼力もすさまじい。
本文書体がゴッシクだとマヌケ引用符とアポストロフィの違いってわかりづらい。
二重引用符(ヒゲ括弧)が歐文だと皮肉の意味をあらはすことを始めて知る。とはいへ日本でのヒゲ括弧がそのやうに使はれている用例ってあるのかしら。そして私は記号の使いかたをどこで学んでいたのか。
*1: ナレーションがまた良い。この頃の聲が一番いいような気がする。