生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

講演會

早稻田の日本キリスト教會館で開催された松原正東京講演會へ行く。けふも實に有意義で樂しいお話を聞いた。印象に殘つた話を少し記してみる。

解決がある問題に就いては、人間はしやかりきにやりますが、解決が無いと分つてゐながら、しかしこれが、一番重要と云ふことを常に頭において物を考へてゆく、さういふことが大事だらうと思ひます。

(或る演出家と對談した時、日本の演劇の問題として基礎が出來てゐないと云ふ話になつた。演出家はそれなりに演出をしてゐると言ふので、かういふ質問をした。)

こゝに私が立つてゐる。あそこに女が立つてゐる。その、あそこに立つてゐる女を私が抱かうとして、こゝから女の前に近附いて、そして抱くかのやうな素振りをして、ぱつと右へ逸れる。

からかふんです。その時あなたね、右足から出ますか?左足から出ますか?

(演出家は)即答出來ない。

それ御覽なさい。こんなもの即答出來ない英國の役者は居ません。だから基礎が出來てゐないつて言ふんです。

講演會の後、懇親會に初めて參加した。色々な人とお話出來た。