阿佐ヶ谷のバルトにて大熊肇さんの話を聞く。ずつと正字正假名サイトを名乘つておきながら、私は正字に就いて碌に知識を持ち合せてゐない*1ので勉強がてら赴く。會場はとても好い氛圍氣の店でピアノも置かれてゐる*2。そんなに大きな處でないとは思つてゐたが、三十人も這入ると矢張り窮屈だつた。
正字といつても、所謂戰後の國語國字問題に纏はる正字の話ではなく、金文から楷書に至る、支那の書の歴史に於ける正(式)書體のお話が中心だつた。他にも漢字や書に關する多岐に亙る話題があれこれあつた。内容を一部記す。
- 言の篆文と音の篆文の上半分は同じ形なのに、後の書體では違ふ形になること。
- 亞の字源。
- 悪は「惡」の他に傳統的楷書では亜/心ではなく西/心だつた。
- 土・丈・他に裝飾點がつく理由。
- 案の安は宀(ウ冠)ではなく冖(ワ冠)に女と書く。
- 保は口/木ではなく口/ホ。
- 「はしご高」と「くち高」
- 右と左の書き順。
- 簡体字で隷書を書かされた話。
あとヒューガルテンと料理がとても美味しかつた。また行きたい。
反應
來てゐると知つてゐれば一言挨拶したかつた。
アンテナハウスの人も聞きにいつたみたい。