生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

二册讀了

逍遥本明朝物語 (Typography archive)

逍遥本明朝物語 (Typography archive)

百頁程の薄い本だけれど絲綴ぢの凝つた上製本だ。當然本明朝で組まれてゐる。片塩さんの文體は隨筆の文章のやうに私には感ぜられた。

最後の方で明朝體に纏はる幾つかの問題提起をしてゐるが、本當に考へ込んで了ふ。

文字本

文字本

文字とは何か。組版とは何か。色々考へさせて呉れるのでよかつた。
私も最初、本文が丸明オールドと云ふのは違和感があつた*1のだが、さりとてこれを別の書體に置き換へることを考へると、はたと行き詰まる。結局この書體でないと、どうにも坐りが惡いやうな氣がしてくるから不思議だ。

あとどうしても文字ばかり目がゆくが、片岡さんの文章は好いと思ふ。

*1:たゞキャプションだと思へば、それはそれでをかしくはない氣もする。文字組みも相當神經を遣つてゐるだらうし。