生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

讀書つれづれ

大橋巨泉『巨泉の重賞競走予想全書』(ISBN:4944001290)讀了。 競馬エイト紙上に掲載された重賞競走の豫想が總て網羅されてゐる。

過去(1971 年から筆を折つた 1989 年まで)のレースの豫想を讀み通すのは、分量はたしかに多いが、案外樂しくすらすらと頁をめくつた。 これは、たゞそのレースの勝ち馬を當てることに力點をおいてゐるのではなく、競馬とは何か、競馬とはかくあるべきといつた主張や理念が、 そこかしこに文章から溢れてゐるからだ。 何より文章自體が再讀に耐へうる良質のものであるやうに思ふ。

そして當時の日本競馬會に對する、 批判や要望(現代からみれば、信じ難いやうな制度が罷り通つてゐた)を讀み隨ら、今の競馬の隆盛が一朝一夕になつたものではなく、 それなりの推移を經てきたことに思ひを馳せる。