生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

Lester "Pres" Young (2)

次は『レディー・デイの肖像:ビリー・ホリデイ』を取上げてみます。

實はレスター・ヤングの良さが分かるやうになるまで、隨分時間が掛かりました。こちらがまだ初學者だつたこともあるのですが、最初の印象は、兎に角掴みどころがないといつたものでした*1。何年も繰り返し聽き返してみては、壁にぶつかつて跳ね返されてゐたものです。

そして或る時この CD を聽きました。1930年代頃のアルバムなのですが、ビリー・ホリデイレスター・ヤングが何曲か共演してゐるのです。

そこには、何かが起こつてゐた。ビリーがテーマを歌ひ、レスターのほんの八小節程の短いサックスソロが合はさることによつて、特別な時間が流れてゐる。この時初めて今まで聞き取れなかつたレスターのトーンやヴォイスを感じることが出來ました。

こゝから私のレスター・ヤング人生が始まつたのでした。

*1:ある意味、まだコールマン・ホーキンスベン・ウェブスターの方が分かりやすかつた。