生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

實用主義

加納氏のpragmatismid:kanou:20040520#1085034400)を讀み、そのことが暫く氣に掛かつてゐた。
丸谷さんの對談集を讀んでゐたら、同じ事柄についてふれられてゐたので驚いた。

丸谷
ぼくがやったのは、国語改革への反対ではあるんだけれども、その底には、もっと大きな、功利主義の立場による言葉の捉え方、それへの批判があるわけですね。
丸谷
ところが、ここがややこしいんですが、実用主義を批判している私の主張、たとえば、「漢字は当用漢字や音訓表にこだわらないほうがいい」「歴史的仮名づかいを使うべきだ」といった考え方のほうが、結局のところ実用性に富んでいると思うんです。(笑)実用性をめざしていた国語改革が、実はたいへん非実用的で、校正係がむやみに苦労する。面倒な規則を覚えることは出版社や新聞社の校正係に委ねて、全国民はてんでにでたらめをやっている。

丸谷才一対談集 日本語そして言葉』より「国語改革と日本語」

言及