阿佐ヶ谷へ友人のライブを聽きに行く。ピアノとコルネットのデュオで、ジャズバラードを演奏してゐた。沁みる。何時しかバラードばかりの演奏を聽いてゐて退屈だと思はなくなつた。
會場は阿佐ヶ谷ヴィオロンと云ふ喫茶店。暗めの照明で、かなり落着いた氛圍氣だ。メニューに酒類がなかつたので、こゝが純喫茶*1だと云ふことにやうやく氣が附く。よくよく見れば、實に凝つたオーディオシステムが奧に鎭座してゐるし、置いてあるレコオドは全部クラシックだ。さらにカウンターの棚にびつしりと竝べられてゐるのは、酒罎ではなく眞空管だつた。魂消た。
ライブの後、ブランデーを垂らした珈琲を飮み隨らレコオド鑑賞。ビゼーのカルメンを聽いた。歌はマリア・カラス。他のお客達も肅々と聽いてゐる。
*1:今でもさう呼ぶのかなあ?