生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

讀了

早速『ちゃんと話すための敬語の本』を讀む。薄いし、分り易く書いてあるのに、頗る内容がつまつてゐる。橋本さんはかう仰る。

この本は「正しい敬語の使い方を教える本」ではありません。そうであるまえに、「いったい敬語ってなんなんだ?」ということを考える本です。

そして、この本の中で繰り返し繰り返しかう説く。

「敬語は人と人とのあいだの距離を認める言葉だ」

これを見て、私は直ぐさま福田恆存聯想した。例へば次のこんな一節。

敬語は身分を重んじた「タテ社會」の殘滓だなどといふ馬鹿のひとつ憶えみたいなことをいつまで言ひ續けてゐる積りか。敬語はそんな單純なものではない。縱だけでなく、それよりも横の距離を保たうとする心の働きが敬語の主要な機能である。横の距離を保つ心の働きとは、節度、けぢめの感覺であり、敬語によつて時には冷酷に相手を卻け、突放す事が出來る。

裝幀

ちくまプリマー新書の裝幀は隨分目をひくデザインだが、これはクラフト・エヴィング商會のものだつたのか。