- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2004/09/22
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- 作者: 増田聡,谷口文和
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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續けて讀んだ御蔭で、音樂を巡る現在の状況を、より鮮明に見通すことが出來た。
前者があくまで、音樂「業界」だつたり、文化「産業」の問題點を浮き彫りにしてゐるとすれば、後者は更に、音樂とテクノロジーとの關りに於いて、そも「音樂」とは何かを新たに問うてゐる*1。しかも、音楽について語るために、われわれのリアリティに沿う言葉をみつけることを第一の目的にしている
と云ふ點が、とても興味深い。音樂は鳴つてゐる。しかし言葉はまだ見出せない*2。
尤も茲で、リアリティに沿ふ言葉が解答やキャッチコピーのやうに提示されてゐる訣ではなく*3、分析や攷察によつて、その道筋のやうなものを指し示さうとしてゐる。それだけでも充分な内容だと思ふ。
五章の最後では多彩な演奏があると全くおなじように、多彩な聴取が存在すること
と云ふ風にしめてゐる。若し、舊來の「音を出す(演奏する)」側が、例へばこの本を目にして、多種多樣な聽取と云ふものを意識するとしたら、どのやうなアプローチを取つてゆくものだらう。さういふのを讀んでみたいと思つた*4。
餘談
p.51脚注6の、「1976年」は恐らく1876年かと。