生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

「ゐ」の意味

仮名文字の一つに他にない意味を見出さうとするのは無意味だと云ふのは、私も同意します。たゞ「ゐ」に關しては、他の假名文字と同列には出來ないのではないかと、私は思つてゐます。

例へば、イと云ふ音に對し、現代假名遣ひのやうに、假名を發音通りに記すと云ふ建前ならば、「い」はあくまでイと云ふ音であり、例へば、「いる(居る)」「くらい(位)」「もとい(基)」等々、と書かれてもいゝことになります。音は意味を持ち得るものではないからです。

しかし歴史的假名遣ひでは「い・ひ・ゐ」と云ふ表記が用ゐられてゐます。あくまで、位は「くらゐ」、基は「もとゐ」と書かれなくてはいけません。つまりそこには、「ゐ」と云ふのは「い」や「ひ」では置き換へられない、語としての意味合ひが含まれてゐることに他ならないのではないでせうか。

因みに「http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0514.html」では、その事に就いて「ゐ」の世界と云ふふうに書かれてゐます。