生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

讀了


第五章三節の辞書の歴史について触れたくだり(山田俊雄によるものと思われる)で、書体について説かれる。近世から近代にかけての書体の問題は、近年、印刷史の方面などからの研究もあって盛んになってきているが、それまでは山田俊雄のひとり舞台の感があった。

私は、ここのところ、現行通常の表記である楷書平仮名交じりの沿革について関心を持ち、楷書と片仮名、行草と平仮名という、近世までは通常の組み合わせから外れるものについて探そうとしたのだが、このような視点で資料をみている研究が近年の印刷史関係のものの他には見当たらず、ようやく本書の記述に行き当たることが出来た。