今年最初のオルトフォン・千代田テクノル共催のチャリティ・ コンサートへ行く。 今日のプログラムは、スーパー・アナログ・ディスクによるクラシックの鑑賞會。前半に緩徐樂章(adagio)の特集を、後半はフランクの交響曲(ウィーンフィルにフルトヴェングラーの指揮)を通しで聽いた。
流石に、緩徐樂章を立て續けに六曲も聽かされると、私のやうなクラシック門外漢にはしんどい。何度意識を持つて行かれたことか。しかしこれ程、まどろみ隨ら聽くのに心地良い音樂は他にない。
こんな調子では後半が思ひやられる。ところが演奏が始まつた途端、空氣が一變した。知らない作曲家の知らない曲。ましてや四、五分で終はるどころかたつぷり一時間はあるやうな曲だ。なのに目が離せない。スピーカーから石礫かバーナーから迸る熱風のやうな音が飛び出してきて、眠るどころではない。
何だこれは!
それは、單に音量が大きいとか、矢鱈勢ひをつけてゐるだけの演奏と云ふものではない。ピアニッシモですら、張り詰めてゐる氣を痛い程感じた。