通りを隔てたすぐ向ひに、舊岩崎邸庭園があるのでぶらりと立ち寄る。目と鼻の先なので、兩方行くことをお勸めする。
此の樣な本格的な西洋館に這入るのは、滅多にない經驗だ。物珍し氣に眺め隨ら、昔讀んだ、西洋館を舞臺にしたミステリを思ひ浮かべた*1。天井は矢鱈高く、部屋毎に暖爐が備へ附けてある。何より建築や部屋のデザインの意匠が、恰も一つの世界となつて眼前にあらはれてゐるのを強く感じた。
洋館のすぐ隣は和館。ドアの向うには、疊敷きの渡り廊下がいきなり現はれ、進むと大広間へと續いてゆく。すごいギャップを感じるが、どこかほつと一息ついて了ふ。
*1:地下通路があるのもポイントが高い。