生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

讀了

福田恆存文芸論集』讀了。

ごく單純にいつて、いい日本語の文章を書くといふことだけでも、どんなにりつぱなしごとでせう。さういふと、あなたがたは眉をひそめるにちがひない。そこから文學者への輕蔑が生まれてくることをぼくは知つてゐます。が、いい文章を書くといふことが、いい政治をするといふことと同樣に、あるいはそれ以上に、人間の未來にとつていかに大切であるかを、あなたがたは知らないのです。政治が惡ければ國が亡ぶとは考へても、一國の文學が亡びれば、また國が亡ぶとは考へない。
文章といふものは、それのみを判斷の基準にしてもまちがひのないほど客觀的な存在なのであります。

餘談だけど、表記を新漢字新假名遣ひに改めてゐる筈なのに、“着”が(おそらく殆ど)“著”のまゝだつた。