生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

ラジオ深夜便

四月から番組の編成が變つた。いつもの演藝特選が月曜の夜に移り、土曜の夜は「民話を語ろう」と云ふ番組になつた。期待もせずつらつらと聞いてゐたが、これが存外面白い。
この日は伊藤正子さんが宮城の民話を語つた。昔話は矢張りおばあさんに限る。訥々と淡々とした話し振りが、實にいい感じだ。まんが日本昔ばなしを彷彿とさせる*1

解説の小野和子さん(みやぎ民話の会)はかう言ふ。

(民話の筋が、よく分らないと云ふことに就いて)
その分らないところが、素晴らしくいい話だなあと思ひます。
筋が通つてゐるとか、かういふ教訓があるとか、さういふところはまるつきりなしですけど、心に殘りますでせう。

だから民話は、寧ろ分んない、訣が分んない話ほど、面白くて深いこともありますので。

言ふべきことを深く沈めて、色んなクッションや色んなものでくるんぢやつて、けろつとした顏で、出してこられるから、面白いんですけれども、時々、何だらうと思ふこともありますねえ。

*1:別に市原悦子のやうに語つてゐる訣ではないが。