生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

宇治山哲平展

東京都庭園美術館にて。非常にポップな抽象畫だ。割と幾何学的な構造やシンメトリックな配置、そして配色の妙の御蔭で、或る種の抽象畫が持つ重さや訣の分らなさを、こちらに感じさせない。

印刷物では分らなかつたが、近くで見ると結構繪肌がごつごつしてるし、凹凸がはつきりしてゐる。繪の具に色々混ぜてこの效果を出してゐるとの事。あと抽象畫だけでなく版畫も際立つてゐた。

この美術館は舊朝香宮邸を改裝したもので、アール・デコ樣式の建築として著名である。物珍しくもあり、館の中を迂路々々してゐるだけでも堪らない。

作品と建物の兩者が、密に相俟つたこの氛圍氣は、他ではまづ味はへない。嘗て繪畫や彫刻等は建築と不即不離の關係だつたと云ふ話を思ひ出す。

アール・デコの館―旧朝香宮邸 (ちくま文庫)

アール・デコの館―旧朝香宮邸 (ちくま文庫)