生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

二册讀了

小論理学 上巻

小論理学 上巻

小論理学 (下巻)

小論理学 (下巻)

だらだらと一月位かけて讀む。何年か前に岩波の松村一人譯を讀んでゐたけれど、こちらは單なる譯だけではなく、譯者の解釋をもとに原文の文脈に沿つて可成り言葉を補つてゐる*1ヘーゲルの文章を讀むと、兎角語句に躓きがちになるので、隨分と讀み易くなつてゐるのではないかと思ふ*2

それだけでなく、譯者による本文の註解が一册づつ別に小册子として纏められてゐる。たゞ問題なのは、茲での譯者の解釋が全く詰まらないと云ふことだつた。眞面目に且つ詳細に書かれてゐるのだけれど、ヘーゲル哲學に於いて「解釋」と云ふ事があり得るのだらうか。

あと註釋だけではなく何と問題と解答まで載せられてゐるとは思はなかつた。何か受驗參考書みたいで、「お勉強」したい人には向いてゐるのかもしれない。私はご免蒙るけど。

*1:補ひ過ぎの感もある。

*2:長谷川宏譯ではどうなんだらう。