生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

三册讀了

著者も述べてゐるやうに、この本は宗教と云ふよりも宗教に纏はる歴史理解や受容の有り樣について書かれた、一種の文化史研究の側面が強い。讀み物としては樂しめるが、解釋ばかりが目に附く。

聖書の日本語―翻訳の歴史

聖書の日本語―翻訳の歴史

覺書。

日本のキリスト教受容は、西欧人によって伝えられたために、ともすると西欧の影響のみが表立っていた。ところが、今回改めて思い知らされたのだが、日本の聖書翻訳に占める中国語訳聖書の大きな比重は、キリスト教受容にも影響を与えずにはおかなかったであろう。あえていうならば、日本のキリスト教の受容は、聖書語に関する限り、儒教や仏教の経典と同じく、中国経由なのである。

むすび 中国経由のキリスト教という一面

「ゴッド」は神か上帝か (岩波現代文庫―学術)

「ゴッド」は神か上帝か (岩波現代文庫―学術)

單に言葉の飜譯といつた事柄だけではなく、valueやequality、そして等價交換といつた概念を通して、西歐文明の根本にある原理・原則*1に就いて詳しく書かれてゐる。頗る勉強になつた。

*1:そして其の背景には基督教がある。