日曜に東洋美術学校にて聽講。
永原康史「日本語のデザイン、その後」
永原さんの『日本語のデザイン (新デザインガイド)』には可成り觸發されたので、今囘の演題に「その後」とあるのならば、きつとその後の、何らかの進展や發見が垣間見られるのかもしれないと期待してゐた。
實際は「日本語のデザイン」のおさらひみたいな内容であつた。「その後」と云ふ爲には、先づ日本語のデザインがどのやうなものであつたかを予備知識として持ち合せてゐないといけないので、勢ひ説明が長くなる。しかもそれは一時間半ではとても語れる内容ではないので、どうしても、抽象的な事柄を駈け足で語らざるを得ない。
次の春田さんの話とも通ずるのだが、國字國語問題とはまた異なつた、言はば活版印刷文化に對するアンチテーゼとしての日本語表記の問題が、最近私の中で持ちあがつてきてゐる。さういつた日本語組版に就ての問題意識を持ち合せてゐないと、今日のお話の意圖するものが掴みづらいやうに感ぜられた。
話の中で耳に殘つた云ふフレーズで
- 技術が表現を規定する
- 組版はプログラミングである
といつた事はもつとよく考へてみたい。
最後にOpenType Fontの字體切り替への機能を取上げてゐた。前後の文脈によつてフレキシブルに文字が變化する技術はもう可能になつてゐる。後はフォントだけなのだが。