東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所にて。
知らない文字が一杯あつて樂しかつた。オブジェも面白い。
日本の活字印刷として「日本のカテキスモ」や古活字版「大鏡」が展示されてゐた。茲での解説が興味深いので覺書。
活字の書體が行書や連綿體なのは、手寫本に似せると云ふ意味合ひがあり、また活字版の缺點を補ふ爲でもある。活字には筆寫體のもつ「墨繼ぎ」による濃淡や強弱の表現が出せない。
何よりベタ組みの連綿體組版は、假名が多く遣はれてゐると、必然的になぎなた讀みによる誤讀の危險性が増す。何せ當時の日本語には句讀點がない。
そこで間違へやすい文字列には、連綿にする事で誤讀を回避しようとする意圖があると指摘してゐた。語の切れ目で連綿がおこることは無いと云ふ。
キリシタン版は徹底してゐるが、後の慶長・寛永ではまた變はつてくるとのこと。
しかし土・日・祝日が休館と云ふのは嚴しい。平日働く勤め人は、遣繰りしないと先づ來られない。
- 作者: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/04/12
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