晝前に家族と連れ立つて新年一般參賀へ行く。東京で暮らし始めて丗卅年以上になるのに、今迄一度も宮城に足を踏み入れたことがなかつた。
通りは街宣車で一杯だ。二重橋から這入る。流石にチェックが嚴しい。可なりの人込みだが井然と行列は進んで行く。東庭で御出座になるのを待つ。只管、立ちずくめである。周りには外國の方もそれなりに見られる。觀光ツアー抔で參賀する人が結構多いのだらう。
愈々時間になり、皆こゝぞとばかり日の丸の小旗を振り廻す。あちこちで萬歳の聲が起る。長和殿のベランダは思ひの外間近だつた。たゞ二階だと、背の低い人では見づらいと思ふ。
お言葉を受け賜り、參賀は呆氣無く終了する。