川村記念美術館にて。遠い所だつた。
バーネット・ニューマン《アンナの光》は流石のインパクトだつた。繪だけでなく展示されてゐる部屋の空間もデザインされてゐる。たゞ、驚きはしたけれど、そこから先に進ませては呉れないし、さういつた性質のものなのだらう。
マーク・ロスコは初めて觀る。手ぶらでみる。今の私には取附端がなかつた。
ロスコの圖録に收録された繪のうち、何點かが天地が逆になつてゐると、注意書きのシールが貼られてゐた。抽象畫といつても、天地といつた人間世界の約束事が、潜り込める丈の餘地はまだあるものらしい。