オルトフォン・千代田テクノル共催のチャリティ・ コンサートへ行く。ゲストは、陸奧は一の關のジャズ喫茶「ベイシー」のオーナー菅原正二さんだ。とてもダンディな方だつた。ジャズやオーディオにまつはる樣々な樂しい話をきく*1。
けふは隨分レコオドがよく鳴つてゐた。その上、アンプのボリュームを目一杯にあげて音を出してゐた。ところが不思議な事にちつとも五月蝿くなく、耳ざはりではなかつた*2。耳をそばだてれば樂器の音がきちんと聽きとれる。あたかも颱風の目の中に居るみたいに靜かだつた。そして音がそのまゝの形を保つた儘、すごい勢ひでこちらに飛び込んでくるのだ。至福千年を垣間見るが、菅原さん曰く「まだまだ甘い」と。オーディオ道は峻嶮也。
ボーカルのレコオドは音量は出さなくても、すごく情報量の詰まつた音だつた。最近の録音では味はへない、その場の空氣を感じさせる音だつた*3。