小野田寛郎氏のお話「極限に生きて」を聞く。
昔、小野田氏が少年少女達に向けて書いた『戦った、生きた、ルバン島30年』(講談社)*1を讀んだ事があつた。ルバン島でのサバイバルや體驗の彼是が書かれてゐるのだが、讀後印象に殘つたのは、軍人としての矜持をひたすら保つてゐた、今や全く見る事の出來ない、或る種の日本人の有り樣みたいなものに打たれた事を思ひ出す。
謹嚴さうな人かと思つてゐたけど、聲を聞く限りでは、話の面白い好々爺のやうな氛圍氣だ。
後年、この自伝にまつはる虚偽と問題点を「幻想の英雄」で知ることとなった。