この間『日本語のデザイン』を讀んで、假名に興味を持つたので出光美術館へ出向く。
草書の假名が讀めず、和歌を知らず、歌も詠まない無い無い盡くしの人間が、かういふのを見たところで、何が面白いのだらうと云ふ氣になるものなのだが、取敢ず私は實物を見ないと學べない質なので、分らん分らんと唸りながら見て廻る。
平安の仮名はたおやかで優雅、鎌倉の仮名はかっちりとして厳格。本展では、仮名が主に和歌を記した文字であるという視点から、それぞれの時代に和歌がどのような場で用いられたのかを考えながら、文字の美しさの違いを探ります。
紀貫之の高野切はよかつた。