弥生美術館へ行く。岩田専太郎の名は全く知らなかつたが、書かれた畫は恐らく何處かで目にはしてゐるやうな氣がする。休む間もなくひたすら書き續けたと云ふ仕事振りに手塚治虫を聯想する。かういふ美人畫の流れをくむスタイルの畫つて今でも書き繼がれてゐるものなのだらうか。
隣の竹久夢二美術館の展示もよかつた。夢二のグラフィック・デザインに於ける仕事は、今迄意識して見てみてゐなかつたので、デザインや裝幀等を興味を持つて見る。
岩田専太郎も竹久夢二も女性の繪や畫を多く書いてゐる。私はどちらかと云へば夢二の畫の方が好みなのだが、しかしそれが何によって起因するのかを説明しようとすると、どうもうまく言葉にならない。兩者の違ひを單なるスタイルの違ひとだけ看做していゝのか、それとも女性をどのやうに描くかと云ふ點に於いて何か對蹠的なものがあるのか、單に私が美人畫を見慣れてゐないだけなのか、等々。
餘談
- 元祖モダンガールとして、日本で初めて斷髮・洋裝を決行した女性として語り繼がれてゐる望月百合子さん*1の話が面白かつた。日本髮からショートヘアの移行は存外時間が掛かつたのか。
- 場所柄なのか、展示の内容の所爲なのか、矢鱈と和服を着た女性の姿を見掛ける。若い人も多い。
*1:美人だ。