生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

泣き笑へ

頃日笹川美和の「笑」を耳にする機會があつた。サビの“泣き笑え”とリフレインするところでの“え”が、どうもh音が入つた*1“へ”の音*2に聞こえる。果たしてこれはどのやうな理念に基づき、また、何を意圖したものなのだらうか。非常に氣になる。

まさか上代日本語にあつた「母音は語中に立たない」と云ふ原則を知つてゐるのだらうか。

以前私は藍川由美氏の名著『これでいいのか、にっぽんのうた』*3を讀んで、この原則が日本語の歌唱に關する、非常に重要な示唆と可能性に滿ちてゐることを、見知つてゐたので尚更氣になる。

*1:語中語末のハ行音が h 音だつたことつてあつたんですつけと云ふ指摘を受けて削除する。またいい加減なことを書いて了つた。

*2:發音記號ではχか。

*3:ISBN:4166600141。日本語に興味を抱いてゐる人は一讀をお薦めする。日本語で歌ふと云ふことは、日本語をどのやうに發音し、そしてそれをどのやうに記すのかと云ふ問題に否應なくぶつかる。