會場のすぐ隣で、紙芝居の實演が行はれる處だつたので見物してゆく。淺草の時代屋は紙芝居もしてゐる*1のか。
紙芝居は昔のものでなく、今囘新たに書き起こされたものを使用してゐる。當世風のモダンな畫風だ。私は柳瀬茂ばりの、あの泥臭い繪柄を期待してゐたけれど致し方無い。今は平成なのだ。
お話が始まると、筋を見知つてゐるとはいへ、それなりに話に引き込まれる。演題の「少年探偵団」は傍役を含めても登場人物が十人以上は下らない。これを一人で讀むのは存外骨かもしれないと思つた。無論繪があるのだから、同じ調子で讀んでも案外誰も氣にしないだらうが、讀み手はきちんと、人物毎に演じ分けてゐた。