生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

映畫觀賞

小川町のneoneo坐へ行く。「知られざる短編映画を見てみる」と云ふ趣旨の元、月二囘、日比谷圖書館のライブラリーから16mmを借りて上映するのである。座席が三十位の、こぢんまりとした一室で、座椅子に凭れてスクリーンを眺める。

彫塑の表現』(1972年/制作:岩波映画製作所)

彫刻等の立體造形藝術の解説。かういふ感じの、如何にも教育用に作られた16mmを、昔小學生の時視聽覺室*1で見た。何か懷かしい心持ちになる。時折映し出される、昭和四十年代の東京の風景に痺れる。

『8ミリ映画製作の手引』(1974年/制作:東映教育映画部)

これはかなり役に立つ。今やハンディカムで撮影し、パソコン上で編輯をするご時世とはいへ、繪コンテやシナリオの作り方、タイムテーブル、カメラワークの注意點等、作業の勘所は存外通ずる。門外漢だけに結構新鮮だつた。
上映中、時折失笑が漏れるのは、結構芝居がかつた演出だつたからかと思つたが、それだけではなかつた模樣*2

撮影の舞臺は、三十年前の五日市町

『演劇入門 ジュリアス・シーザー』(1967年/制作:学習研究社

今日のお目當て。劇團「雲」による『ジュリアス・シーザー』公演までの過程を記録したもの。
前説を芥川比呂志*3が述べ、福田恆存が役者に向かつて演出をする姿が映し出される。いつも煙草を銜へてゐた。ジュリアス・シーザーを演ずるのは高木均、マーカス・ブルータスが小池朝雄。役者として意識して見たのは初めてかもしれない。マーカス・アントーニアス(西沢利明)の演説のシーンはとても良かつた。

會場に、當時この映畫を撮影した金井勝氏が来訪してゐた。

*1:今でもさう呼ぶのか。

*2:短篇調査団 (17) 入門の巻

*3:まだ袂を分つ前の頃だ。