目黒区美術館区民ギャラリーにて。
元宮内廳書陵部の櫛笥節男氏による和裝製本の實演を見學する。「折本」と「袋綴」がどのやうに作られるかを眼の邊に出來るなんて滅多にない。二時間立ちずくめで疲れたけれど滿喫した。
- 作者: 櫛笥節男
- 出版社/メーカー: おうふう
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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目打ちに對する指の添へ方や、刷毛で糊を塗る手捌き等を注視しながら、これは職人だなあと月竝みに感じてゐた。遣ひ込んだ道具(尺定規*1や數々の木片)も樂しい。机の上にあがつて裁包丁*2で紙を器用に切り始めたのには驚いた。
實演の後、展示されてゐる澤山の本達を見る。幾つかの展示では、手袋をして實際に本に觸れられるのがよい。うつとりとして了ふ。普段は見過ごして了ふ、本の持つ物としての在り方が、より強く意識される。アダナ印刷機で刷られたものもあつた*3。