生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

授業

そして神戸芸術工科大学にて家辺勝文先生の特別講義を聴講する。古典をひいての読書のあり方や組版の話は楽しい。なによりそれは文字だけの話ではない。人はなぜ学び、そして学問を行ふのか。さういった学を志す人の生の聲を眼前で聴けたことに、無性に私は感銘を受けた。遠出をしたかひがあつた。

学生が行った組版課題で幾人かの人は縦組を採用してゐた。講評のときに縦組の方が読みやすいと云ふやうなことも云ってゐた。恐らく一世代下の若いひとたちのあひだでも、そのやうなコンセンサスが行き渡つてゐることに稍意外の感をうけた。

講義の際、エーリッヒ・アウエルバッハの『ミメーシス』の話がでたが、始めて聞く名だつたので戸惑った。すぐに手持ちの情報端末で検索する。調べながら「わたしの学生の頃にはかういふのはなかったなあ」と今更ながら氣着く。便利ではあるが果たして教育に關してはいゝことなのであらうか。