暑い一日だつた。
文字講座
東洋美術学校にて服部一成氏のお話『私のデザインと文字』を聞く。デザインと云ふ言葉にし難い事柄を、説明とかロジックとしてではなく、言葉にし難い儘に語つてゐたのがよかつた。以下内容を簡單に覺書。
- 前半は、一囘性、即興、瞬間といつたものをキーワードにあれこれ。
- キュピーハーフの廣告に使用してゐる手書き文字に就いて。手で文字を書くことの意味。
- JR東日本キャンペーン「TRAING」に關して、車窓からの風景に就いて。
- 「ホクリクのフランス人*1」に出演してゐたモデルの女性に簡單な日本語を書いてもらつた*2。その時書かれた文字をみて衝撃を受けたこと。
- 李禹煥の、線らしい、線そのものを引く練習に就いて。
- 寫眞家の中平卓馬氏との仕事で、中平氏が「僕以上でも僕以下でもなく」示して欲しいと云ふやうな事を云つた。
- 百圓のものは百圓のデザインをしたい。
- 好みの書體は、歐文ならFuturaやHelveticaなどであり、和文だと太ゴB101とイワタオールドを擧げてゐた。
- 田村隆一の詩集(『腐敗性物質 (講談社文芸文庫)』か?)から幾つか詩を取上げる。デザインに對する思ひの丈を、恐らく詩を介して述べてゐたやうに思はれる。
- 流行通信でのエディトリアル・デザインに就いて。
- 後半は一貫した主題がなかつたので少し焦點がぼやけたやうに感じた。
- 質疑應答も面白かつた。デザインに取り憑かれてゐること、自分自身をシニカルであると云ふ風に語つてゐた。
*2:CMにも使はれてゐる。