發走直前、國歌の齊唱が行はれる。ウイナーズ・サークルに岡本知高といふ歌手があらはれた。
どこかで聞いた名だと思つたら、この間讀んだ本(宇田川清江『眠れぬ夜のラジオ深夜便』*1)にとりあげられてゐたのを思ひ出す。世界に三人しかゐないといふ“ソプラニスタ”なる聲の持ち主なのだ。
凄いインパクトだつた。オペラで歌はれるやうなベル・カント風の節廻しで朗々と歌はれる君が代は、アブストラクトといふかなんといふか、アバンギャルドといつてもいゝやうな趣きを釀し出してゐた。
あと歌聲もさることながら衣裳にも度肝を拔かれた。