- 作者: 小林標
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/02/01
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ラテン語の一見複雑怪奇に見える変化形の背後には、実に整然たる、ほとんど数式の行列にも見まがうほどの論理性が存在することが見えてくるのである。各単語はざまざまに形を変えるのだが、その形のひとつひとつの現れを「形式」と呼ぶとすると、それらの「形式」には常にその形式特有の「意味」が付随しているのである。(略)
「形式」が「意味」を明示すること、「形式」と「意味」との対応のなかに見られる論理性。これがラテン語にはあり、近代諸言語にはない特性である。
ラテン語は、物事の記述における厳密さを極限までに追い求めようとする言語なのである。ラテン語に内在するこのメカニズムこそが、西洋世界の共通学術語としての地位を長く保ちえた理由である。
あと是非とも著者には、續編として『ロマンス語の世界』を書いて欲しい。
- 作者: T.S.エリオット,矢本貞幹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1962/01
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エリオットは私好みの批評家だ。