生活記録

日々のこと(旧はてなの茶碗)

二册讀了

ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)

ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)

印象に殘つたフレーズ。

ラテン語の一見複雑怪奇に見える変化形の背後には、実に整然たる、ほとんど数式の行列にも見まがうほどの論理性が存在することが見えてくるのである。各単語はざまざまに形を変えるのだが、その形のひとつひとつの現れを「形式」と呼ぶとすると、それらの「形式」には常にその形式特有の「意味」が付随しているのである。(略)

「形式」が「意味」を明示すること、「形式」と「意味」との対応のなかに見られる論理性。これがラテン語にはあり、近代諸言語にはない特性である。


ラテン語は、物事の記述における厳密さを極限までに追い求めようとする言語なのである。ラテン語に内在するこのメカニズムこそが、西洋世界の共通学術語としての地位を長く保ちえた理由である。

あと是非とも著者には、續編として『ロマンス語の世界』を書いて欲しい。

文芸批評論 (岩波文庫)

文芸批評論 (岩波文庫)

エリオットは私好みの批評家だ。